大学中退者は、中途採用枠を狙って就職活動していくことになります。しかし新卒者と比べれば「就職課のサポートがない」、一般の転職希望者と比べれば「職歴や仕事上のスキルがない」という不利があります。
なにより一人だけで就職活動を進めなければならず、就職活動のコツをつかめないことが多いです。
しかし、大学中退した女性には「20代の若さ」や「女性ならではの強み」があるので、きちんと就職活動すれば良い企業を選んで入社できます。
大学中退した女性ならではの就職活動のコツを紹介します。
大学中退した女性が持っている強みとは?
1.一番の強みは年齢
中退直後なら20代前半なので「非常に若い」という評価ポイントがあります。
本人は気付きにくいですが、「20代女性」というだけで企業にとっては魅力です。若さゆえに体力がありますし、女性ならではの対人関係での好印象は、男性にはない強みです。
20代の若さがあれば正社員のイスに座れます。
※「正社員として就職したい」なら早ければ早い方が有利
大学中退者の半数は、20代を一貫して非正規雇用で働いています。しかも「正社員として働きたい」と考えているのに、なんとなくアルバイトを続けている人が多いです。
しかし時給が低いので生活費のためにフルタイム勤務せざるを得なくなり、就職活動するにもアルバイトが忙しくて難しくなってしまいます。年齢を重ねて正社員が遠のいているケースも多いです。
最初から正社員を目指して就職活動する方が有利ですし、フリーター生活が延びているなら今すぐに就活を始めましょう。
2.「大学中退」の経歴に魅力を感じる採用担当者もいる
大学中退者は「一度or二度は失敗したことがある」「もう親に迷惑を掛けられない」という特徴があるので、就業後に粘り強く働いているケースが多いです。
大学を卒業した新卒者よりも定着率が高いこともあります。
20代フリーターの転職支援を行っている就職カレッジでは、2009~2016年の実績で、採用率は中退者が75%と大卒者71%を上回っており、1年後の定着率は中退者77%、大卒者79%とほぼ同じ割合です。
3.大学入学できるレベルの学力はある
「少なくとも大学に入学できる学力レベルがある」と判断されます。学力レベルは大学入学時点で判断するのが一般的です。
採用担当者も、大学中退する理由の多くが学力の低さではないことを知っているので、「大学中退=大卒者に比べて学力が低い」とはなりません。
最大のデメリットは「すぐ辞めてしまうのでは」という先入観を持たれること
大学中退者の最大の壁は、企業担当者が「採用してもすぐに辞めてしまうのでは…」という先入観を持っていることです。
応募する企業の担当者がこのような先入観を持っていれば、履歴書を送った時点でアウトです。書類審査に通過しても、今度は面接官の先入観に打ち勝つ作業が待っています。
企業選びの段階で『大学中退の経歴に理解のある企業を探して応募する』の大切です。
企業選びに失敗しないためにエージェントを活用する
企業選びの方法としては、大学中退の就職支援に強い転職エージェントをおすすめします。
人材を募集している企業と、仕事を探している人のマッチングを行っている企業です。
- キャリアアドバイザーによる転職活動のカウンセリングを受けられる
- 一般の転職サイトにはない非公開求人を紹介してもらえる
- 紹介される企業は大学中退者に理解があるところだけ
- 実際の労働環境や社風を教えてもらえる
- 履歴書の添削や面接対策をしてくれる(模擬面接も可能)
- 書類選考なしで面接へ進めるケースが多い
紹介されたからといって、無理に転職を促されることはありません。全てのサービスを無料で受けられるので、非公開求人を見てみるだけでも利用する価値があるでしょう。
女性専用サービスもある
フリーター専門のエージェント「就職カレッジ」は、女性専用の就職支援「女子カレッジ」を開催しています。
身だしなみ・メイクのような女性ならではの就活ノウハウのほか、街頭アンケート調査+結果発表でプレゼンテーション能力の向上練習などを行います。
大学中退した女性に人気のある7つの業種
1.一般事務・経理事務・医療事務
女性からもっとも人気のある職種が一般事務です。応募者が多いため競争率は圧倒的に高いです。
パソコン作業ができれば就業可能で、「庶務」「受付業務」と書かれています。実際の業務は電話対応や書類作成、来客の受付などになります。
経理事務では簿記3級以上や簿記2級以上、医療事務でも資格を求められることが多いです。
2.販売職(百貨店や専門店などの小売)
事務職に続いて女性が活躍しているのが販売のお仕事です。
衣料、アクセサリー、コスメ、生活雑貨など、女性が利用するモノを扱う企業は多く、女性が活躍できる機会が多いです。
3.営業職
幅広い分野で女性の営業職が活躍しています。自動車販売や不動産仲介のように、かつては男性の営業マンばかりだった分野でも女性が活躍するようになりました。
旅行販売会社や保険代理店などのサービス業は女性からの人気が高いです。化粧品のように女性になじみがある商品なら、なおさら女性ならでは強みを活かして営業できます。
4.IT系の技術職(SEやOG)
理系ではなくともSE(システムエンジニア)が増えてきました。IT関連職種は人手不足ですし、入社後の研修で身につけることも多いので、未経験者でも採用されやすい環境が続いています。
5.倉庫内の出荷作業や工場の生産ライン
営業や販売のようにコミュニケーション能力が求められる仕事が苦手な人には、出荷作業や工場の生産ラインがおすすめです。
ピッキング・仕分け・梱包・フォークリフトなどの軽作業のほか、食品加工や組み立て・組み付けの仕事があります。
6.公務員
公務員の採用には年齢制限はありますが、学歴は問われません。大学中退した人も、高卒者・大卒者と同じ条件で採用しています。
7.介護・福祉関係
介護施設で働く約75%が女性です。圧倒的な人手不足なので、大学中退の経歴などは関係なく採用されやすいです。
介護資格がなくても、働きながら資格を取ってキャリアアップしていくことが可能です。
入社から3~6か月ほどで「介護職員初任者研修」の資格を取り、その後に「実務者研修」を取得、3年の経験を経て国家資格の介護福祉士にチャレンジしていくのが一般的です。
未経験・無資格者は身体介護(体に直接触れる介護業務)ができないので、介護職員初任者研修を取るまでは給与が低いこともあります。
大学中退者におすすめの転職エージェント
転職業界最大手のリクルートグループが運営しているフリーター専門のエージェントです。
全国に拠点を抱えており、抱えている求人案件数はどこよりも多いです。営業職は全体の4割程度、求人数が多いので営業以外の職種も沢山あります。
大学中退者支援プログラム「セカンドカレッジ」や、営業職向けの「ジェイック営業カレッジ」という無料就職講座を受講できるエージェントです。
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ハタラクティブが紹介してくれる求人の中で、営業職は全体の3割程度です。事務や広報、生産管理、総務など、営業以外の職種を探している人におすすめです。
※その他のエージェントについては『大学中退した人が利用できる転職エージェント一覧』をご覧ください。